人や物の「総称」を表す名詞表現

「ゴッサム」のシーズン3のディスク4(エピソード8)の場面です。PowerDVDで日本語と英語の字幕を同時表示しました。

以下、字幕です。

Barnes: You know that feeling when you’ve won the battle, but you know you’re going to lose the war?
バーンズ:戦いに勝ち、戦争に負ける。その気持ちが分かるか?
Jim: Wars are fought one battle at a time, sir.
ジム:戦争は戦いがすべてです。

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この場合、battleは「(個々の)戦い」で、warは文字通り「戦争」です。明確に区別する必要があります。one battle at a time=一度に一回の戦い。以下、試訳です。

バーンズ:戦いには勝ったが、戦争には(最終的に)負ける気がする。その気持ちが分かるか?
ジム:(分かります)戦争とは、戦いの連続ですから(結果は分かりません)。/戦争は、戦いを一つずつ勝ってこそ勝利できます。/戦争とは、個々の戦いの結果です。


下は、「英文法解説(改訂三版)」(江川泰一郎著)からの抜粋です(1ページ)。

1. 普通名詞

  普通名詞には一般的な用法のほかに,次のような用法がある。

(1)名詞の示す人や物の全体を表す総称的用法として,   3つの形がある。
 a)A horse is a friendly animal. (馬は人なつこい動物である)〈口語〉
 b)Horses are friendly animals.              〈口語〉
   c)The horse is a friendly animal.             〈文語〉

  日常の英語では一般にb)の複数形が好まれ,a)がこれに次ぐ。c)はやや抽象性を帯びた形で,論文や解説記事などに使うのに適する。

学校では、主にa)を教えるようですが、実際にはb)が多いようです(上の例ではWars)。