「ザ・ブラックリスト(The Blacklist)」シーズン1の第1話(narcissisticほか)

「ザ・ブラックリスト(The Blacklist)」、シーズン1の第1話です。PotPlayerで英語と日本語の字幕を表示し、スクリーンショットをとりました。

英語字幕の著作権はその著者に、日本語字幕(翻訳)の著作権はその訳者にあります。

(以下、字幕)
Agent Cooper, you’ve overestimated your authority.
自分の力を過信しているな
I said I’ll help you find Zamani and I will.
ザマーニは差し出すが
(字幕終わり)

I said I’ll help you find… の部分。ここは間接話法ですので時制が一致しなければならず、つまり、I said I’d (I would) help you find… が正しいのですが、この例はあるようです。それとも、字幕の表記の間違いで、I said, “I’ll help you find Zamani and I will.”とすべきところを誤って書いたかもしれません。

この英語字幕は、Subsceneという字幕サイトからダウンロードしました。このサイトにはボランティアで作成された英語字幕が収録されています(中には、ミススペルやパンクチュエーションの間違いがある字幕もいくつかあります)。

次です。

(以下、字幕)
Like most kids who raised themselves, I can display narcissistic behavior.
自分で育ったので、ナルシスト的側面があり
I can be withdrawn, disconnected, um…
人と交流するより一人の方が好きです
(字幕終わり)

narcissisticは、narcissismの形容詞です(語源はNarcissusです)。narcissismの発音は「nɑ́ː(r)səsìzm=ナースィ(サ)スィズム)」(ナルシシズム)ですが、日本語ではどういうわけか「シ」が一つ抜けて「ナルシズム」と発音されます。また、narcissistは「ナルシスト」が定番です。

次です。

(以下、字幕)
Do you find it odd Reddington surrendered himself the day you start working as a profiler?
初日にレッドに指名されたことをどう思う?
(字幕終わり)

動詞startは、その目的語として不定詞と動名詞の両方をとる動詞として分類されています(江川泰一郎著「英文法解説改訂三版」)。上では、start workingと動名詞が来ていますが、start to workとしても意味は同じです。類似の動詞として、begin、continueがあります。ただし、start が進行形の場合、ingの重複を避けるため不定詞が使われるのが普通です。

It’s starting to rain. (雨が降ってきた。)

次です。

(以下、字幕)
At ease. We have a situation, sir.
緊急事態です お嬢さんが・・・
It’s about your daughter. My daughter?
娘が?
(字幕終わり)

At ease.は「休め」(号令)です。situationには「境遇、状態、状況」のほか「難局、難問、大詰め」(英辞郎)があり、英英辞書ではa complex or critical or unusual difficultyという定義があります(WordNet)。そのため、under such situationsよりunder such circumstancesのほうが好まれるようです。circumstanceには「緊急事態」の意味はありません。

次です。

(以下、字幕)
He’s turning onto Maryland Ave.
メリーランド通りに
(字幕終わり)

Maryland Aveは都市(街中)の道(通り)の固有名詞ですが、普通は無冠詞です。一方、規模が大きい道路(州間高速道路など)には、定冠詞(the)が付くようです。なお、冠詞のルールは人によって異なり、説明がつかないこともあります。冠詞の扱いに拘泥するのは、少なくても日本人にとってはそれほど必要がないような気がします(もちろん、英語研究者は別です)。

以上