「ザ・ブラックリスト(The Blacklist)」シーズン1の第2話(convicted ofほか)

「ザ・ブラックリスト(The Blacklist)」シーズン1の第2話からの場面です。

(以下、字幕)
Have you ever been convicted of a crime?
有罪になったことは?
(字幕終わり)

convicted ofの前置詞ofですが、このofは「動詞との結合」で使われるof(「英文法解説改訂三版」のofのセクション)の一種と考えればいいような気がします。

「英文法解説改訂三版」には、think、know、speak、hear などとともに「~について(about)」という意味で使用されるofについて説明されています。以下、該当部分を引用します。

———-(以下、「英文法解説改訂三版」のofのセクションより引用)———–

(1)動詞との結合  「~について」の意味で think, know, speak, hear などと結合する。

What do you think of her? (君は彼女をどう思うかね)
Do you know of a do-it-yourself shop around here?(この付近に日曜大工の店があるのを知っていますか)
Mr. Fox never speaks of his wife. (奥さんのことは決して口に出しません)

《参考》これらの動詞は about とも結合するが, about のほうが of よりも「詳しく(知っている/話す)」という感じを伴うとされている。しかしどちらでも同じ場合もあって,一概には言えない。

You’re very quiet. What are you thinking of/about?
(君はばかに静かだね。何を考えているのだ)
She complained to the manager of/about the checkout time.
(チェックアウトの時間のことで支配人に文句を言った)

なお,この of は次のような動詞にも使われる。

The story you have just told reminds me of an experience I once had.
(君の今の話を聞いて,以前私か経験したことを思い出した)
They have not yet informed me of/about the schedule.
(スケジュールをまだ私に通知してきていません)

———-(引用終わり)———-

つまり、上のHave you ever been convicted of a crime? は、「あなたは今まで、(何らかの)犯罪について、有罪になったことはありますか?」と訳せます。

もう一つ、ofの気になる用法としては「除去・奪取」のofがあります。引用します。

———-(以下、「英文法解説改訂三版」のofのセクションより引用)———-

This cream helps clear your face of spots.
(このクリームは顔のしみを取る働きをします)
They robbed her of her cash and checkbook.
(彼らは彼女から現金と小切手帳を奪いました)
 He was deprived of his civil rights.
(彼は公民権を奪われた)

———-(引用終わり)———-

このような「除去・奪取」のofも、上記の「~について(about)」の意味で使われるofと考えてもいいような気がします。例えば、上の2番目の例では、「彼らは、現金と小切手帳について、彼女から盗みを働きました/彼らは、彼女に対して、現金と小切手帳について盗みを働きました」と表現できます。

次です。

(以下、字幕)
I’m not here to socialize. I have no interest in having dinner with you.
ディナーを楽しみに来たんじゃない
We meet your contact. We get the name of the Freelancer’s next victim, and we go. Understood?
フリーランサーの標的を聞き出したら帰るわよ
(字幕終わり)

We meet your contact.のcontactは、スパイものや探偵ものでは、「(こちら側の)連絡員、協力者、情報提供者、情報源、窓口」等の意味で使われます。この場合のcontactの同義語・類義語としては、asset、informant、source、liaisonなどがあります。会社などの窓口(顧客の問い合わせ先)もcontact(または、contact person、point of contact)が使われます。

次です。

(以下、字幕)
Anyone asks, you’re my girlfriend from Ann Arbor.
昔の恋人だと言おう
Absolutely not. Heh.
冗談やめて
(字幕終わり)

Anyone asksの前にIfが省略されており、「もし誰かに聞かれたら」の意味です(ご存じでしょうが念のため)。

次です。

(以下、字幕)
Does he know about you as a child?
幼少期のことは?
(字幕終わり)

as a childは「子供として」ではなく、「子供のとき/小さいとき(の君)」です。when you were a childより、as a childのほうが好まれるようです。

(以下、字幕)
What if I were to tell you
こう言ったらどうする
that all the things you’ve come to believe about yourself
君が信じてきた身の上はすべて
are a lie?
真実ではない
(字幕終わり)

What if I were to tell you that… のwere toは、be to ~ の過去形で、仮定法過去に属し、未来についての仮定を表すとされています(英文法解説改訂三版)。文語で使われる方が多いと言われていますが、日常会話でもときどき見かけます。

仮定法過去は、「現在の事実と違うことを仮定する時に使う」のですが、were toは未来についての仮定を表すことに注意。口語では、was toも使われます。

次です。

(以下、字幕)
I’m going to kiss that sweet young FBI agent on the cheek
今からFBIのお嬢さん頬にキスをして
(字幕終わり)

that sweet young FBI agentは、形容詞が連なっています。形容詞が複数使用されるときは、その順番が決まっています。以下、Practical English Usage, Third Editionからの引用です。

——————————-引用開始———————————–

3 order of descriptive words(3 限定用法の形容詞の順番)

The order of descriptive words is not completely fixed. Words for origin and material usually come last. Words for size, age, shape and colour often come in that order.(限定用法の形容詞が複数置かれた場合、その順番は完全に決まっているわけではない。通常、起源と材料に関する形容詞が後ろに置かれる。また、一般にサイズに関する形容詞が先に、その後、年齢、形状、色に関する形容詞がそれぞれ順に来る。)

 

サイズ

年齢

形状

起源

材料

名詞

a

fat

old

 

white

 

 

horse

a

big

 

 

grey

 

woolen

sweater

 

 

new

 

 

Italian

 

boots

a

small

 

round

black

 

leather

handbag

an

enormous

 

 

brown

German

glass

mug

a

modern

 

square

 

 

brick

house

——————————-引用終わり———————————–

that sweet young FBI agentは、that young sweet FBI agentでもいいと思われます。

次です。

(以下、字幕)
Go home, get some sleep.
家で寝なさい
Unless you’re avoiding your home.
帰りたくないのか?
(字幕終わり)

unless が主節(前文)の後で追加的に独立文として使われている例で、「ただし、~する場合は別だ/例外が」と考えるとスッキリします。上では、「もっとも、家に帰りたくないときは別だ」と訳せます。

次です。

(以下、字幕)
But she looked me in the eye and she told me the truth.
でもぼくの目を見て言いました
That she didn’t wanna have a biological child.
”自分の子はほしくない”
Not with so many children in need of a loving family.
”親が必要な子は世界に大勢いるんだから—”
She wanted to adopt.
”養子を迎えたい”
(字幕終わり)

look[人]in the eyeは[直視する、正視する]で、atは不要です。Not withのnotは、前文のdidn’t ~ を受けています。withは付帯状況を表しています。

次です。

(以下、字幕)
In that moment, I just…
それを聞いた時
I don’t think I’ve ever loved her more.
彼女がより愛しくなった
(字幕終わり)

I don’t think I’ve ever loved her more. を直訳すると、「(これまで)今以上に彼女を愛したことがあったとは思わない」でしょうか。

この文は少し変則の表現で、次のように書き換えるとわかりやすいと思います。

I think I have never loved her more than now.

上の訳は、「(これまで)今以上に彼女を愛したことがなかったと思う」です。

これを短くしなければなりません。「今、改めて愛が深まった」、「今ほど、愛したことはなかった」、「以前に増して、愛を感じた」、「ますます、愛情が沸いてきた」などが候補でしょうか。

以上