「トレマーズ コールドヘル 」より(from、improbable、predator、Evacなど)

「トレマーズ コールドヘル 」を見ました。力作とは言いがたいのですが、勉強用にメモを取りました。

 最初は、herebyです。

(以下字幕)
Your tax position has been deemed frivolous by the IRS
国税庁は君の納税申告をデタラメと判断
and your property has hereby been seized.
君の財産を差し押さえる
(字幕終わり)

herebyの定義は次のとおりです。

ジーニアス英和:「副】《正式》これによって,このようにして《◆行為の遂行を示す語;公文書で用いる》」

英辞郎:【副-1】〈文〉これによって 【副-2】《契約書》本契約書によって

herebyherethisに対応します。また、therebythereは、thatに対応します。つまり、herebyは「これによって(by this)」、therebyは「あれ/それによって(by that)」ということになります。

 類似の語は次のとおりです(いずれも、herethistherethatという関係です)。

hereafter
hereby
herein
hereinafter
hereinto
hereof
hereon

thereafter
thereby
therefrom
therein
thereinto
thereof
thereon

次です。

(以下字幕)
How’d you get this number? You from the government?
国がこの番号を?
(中略)
Well, I have an associate familiar with your work.
仲間もいる
(中略)
She knows a lot about Graboid mythology.
グラポイズ神話に詳しいの
(字幕終わり)

You from the government?fromは「出所・起源」を表し、「君は政府から来たの?」→「政府関係者/職員」かい?」という意味でしょう。

Graboidは巨大な地底生物のことで、本来は「グラボイド」のはずですが、日本語字幕では「グラポイズ」と複数形になっています。これは、シリーズの最初の作品で訳者がGraboidsという複数形をそのまま「グラポイズ」と訳し、それがそのまま残っているものと思われます。

シリーズものや大きな説明書などの場合、通常、最初の訳がそのまま使用されるのですから、訳者はよく考える必要があります。

 次です。

(以下字幕)
Improbable but not impossible.
変だけど 不可能じゃない
(字幕終わり)

定義は次のとおりです(どちらも英辞郎)。

improbable=【形】起こりそうにもない、ありそうもない、本当らしくない
impossible=【形-1】〔実行・実現・遂行・達成が〕不可能な、とてもあり得ない、できない、無理な、あり得ない、起こり得ない、とても信じられない[信じ難い]

また、improbableのWordnetの定義は、次のとおりです。

adj 1: not likely to be true or to occur or to have occurred; “legislation on the question is highly unlikely”; “an improbable event” [syn: unlikely]

impossibleが「(ほぼ)100%あり得ない」とすると、improbableは「80%あり得ない(20%はあり得る)」くらいの感じでしょうか。

次です。

(以下字幕)
Graboids are subterranean worm-like predator
グラポイズは 地下ミミズ的捕食者よ
(字幕終わり)

predatorの訳後として「捕食者」が出てくるといつも気になります。Wordnetの定義は次のようになっています。

predator
n 1: someone who attacks in search of booty [syn: marauder, vulture, piranha]
2: any animal that lives by preying on other animals [syn: predatory animal]

意味は「他の動物を餌食にして生きている動物」で、であれば人間も「捕食者」でしょう。以前は「天敵」と言う訳が多かったように思います。

次です。

(以下字幕)
What’s your altitude?
敵の襲来だ 高度は?
1,400 feet.
1400フィート
(字幕終わり)

 映画では、1,400 feetone thousand four hundred ではなく、fourteen hundredと発音されています。4桁または3桁の数値は、2桁ずつ読むことも多いようです。

次です。

 

(以下字幕)
We’ve identified the toxin as originating from a Graboid.
分析によるとグラポイズの毒よ
A Graboid?
グラポイズ?
(字幕終わり)

上でも触れましたが、地底怪物は、本来は「グラボイド(Graboid=単数形)」です。最初の訳者は、注意する必要があります。最初の訳がずっと続きます。

次です。

(以下字幕)
All right, find him and get that sat phone to me ASAP!
彼を捜し 電話を回収しろ
It’s our lifeline out of here. We’ve got to call in Evac
逃げるための生命線だ
and get these kids someplace safe!
皆を安全な場所へ
(字幕終わり)

We’ve got to call in Evac.の訳が抜けています。call inは「~を呼ぶ、助けなどを求める、電話を入れる、通報する」という意味です(call in the plice)。

Evacmedevacの簡略形で、medevacの意味は「【名-1】《軍事》負傷兵救護[後送]ヘリ、メデバック」(英辞郎)。Evac発音は「イ‘ーヴァ(ッ)ク」、medevacの発音は「メ‘ェダァヴァク(médəvæ`k)」です。

以上