「ウエストワールド」(ワーナーブラザーズ)シーズン1の字幕について書きます。

以下、ワーナーブラザーズのウェブサイトからの抜粋です。

“ウエストワールド”は、人間そっくりに造られたアンドロイドたち“ホスト”が来場者である人間たち“ゲスト”をもてなす体験型アトラクション。“ホスト”には娼婦・悪党・保安官など、各自の役割に沿ったシナリオがプログラミングされており、“ゲスト”を傷つけることは決してできない。一方の“ゲスト”はパーク内であれば自らの欲望のまま、時には殺人やレイプなど道徳に反する行動をとることも許されていた。精巧なAI技術と厳重な管理体制のもと、アトラクション内ではこれまで安全が保たれていたが、やがて何体かの“ホスト”たちがプログラム上にない異常な行動を起こし始める…。

以下、シーズン1のエピソード5の一場面です。

Well, then you understand why we cannot surrender it.

ユニオン軍(北軍)の兵士に対して、スリム・ミラーたちが馬車から降りろと迫ったときの兵士の答えです。この場合のsurrenderは、「降参する」ではなく「引き渡す、明け渡す」の意味です。他動詞のため目的語(it=馬車)が付いています。意訳であれば、「降参する」でもいいかもしれません。

以下、同じくエピソード5です。

It’s only fair.
公正な申し出だ。

There’s no such thing as fair here.
「公正」など存在しない。
解説訳:パライアには「公正」というものは存在しない。

In Pariah, justice ain’t just blind, she’s crooked.
パライアじゃ正義の天秤には
解説訳:パライアじゃ、正義は、盲目だけでなくゆがんでいる。

Bitch’s scales are always tipped.
チップが載っている。
解説訳:雌犬(正義)の天秤はいつも傾いている。

justiceは女性名詞として使うことが多いようです。だから、sheで受けています。just は、not onlyの意味です。Bitchは正義、scaleは天秤(=balance)です。

tipは多義語で、主な意味は次のとおりです(英辞郎より)。

【1-名-1】内密の[事前・内部]情報
【1-名-2】〔有益な〕ヒント、助言
【1-名-3】チップ、祝儀、心付け
【1-他動-1】~にチップをやる
【1-他動-2】~に内報[垂れ込み]をする
【1-他動-3】〈話〉(人)に目配せする、(人)に合図する
【2-名-1】先、先端、頂上、頂点
【2-名-2】絞り金◆ホイップクリームを絞り出すときなどに使う
【2-他動】~に先をつける
【3-名-1】傾けること、ひっくり返ること
【3-名-2】傾き、傾斜、勾配
【3-名-3】〈英〉散らかっている場所[部屋]
【3-自動-1】傾く、斜めになる
【3-自動-2】ひっくり返る、倒れる
【3-他動-1】〔中に入っている物を〕あける、捨てる
【3-他動-2】〔物を〕傾ける、倒す
【3-他動-3】〔帽子を〕軽く[ちょっと]持ち上げる

この場合のtippedは「〔物を〕傾ける、倒す」の受け身ですから、「チップが載っている」は意訳としても少し無理な感じがします。

図示すると、下のような具合です(Pål Jåbekkより)。

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stakeも多義語ですので、一度、辞書に当たってみるといいかもしれません。

以下、シーズン1のエピソード9です。

Since the day I first came online.

onlineの意味は、次のとおり(英辞郎より)。

【名】オンライン◆ネットワークにつながっていること
【形-1】オンライン(式)の、ネットワーク上の、ネットワークに接続されている、インターネット上の
【形-2】〔メンテナンスなどが〕稼働[運転]中に行われる
【副】オンラインで、オンライン式に、ネットワーク上に、ネットワークに接続されて

 この男性はアンドロイド(ロボット)です。日本語の字幕では「オンライン」や「接続」が使われていますが、「(現在)運転中、動作中、稼働中」の意味もあります。ですから、ここは「初めて動作(稼働)した日から」のほうが分かりやすいと思います。

以上