「Dr. HOUSE」シーズン2の第17話です。PotPlayerで日本語と英語の字幕を同時表示させ、スクリーンショットをとりました。画像、日本語字幕、英語字幕の著作権はそれぞれ各作成者にあります。
(以下字幕)
Cuddy: Stone cold bluff!
カディ:ブラフよ
You might want to spend a little more time paying attention to your cards, and a little less time staring at my breasts.
時間稼ぎができなくて残念だったわね 私の胸を見るひまもなくて
House: They don’t match either.
ハウス:不釣り合いな胸だ
(字幕終わり)
You may/might want to ~ は、「~したほうがいいですよ」、「~してください」という推奨の表現です。ここは、spend a little more time 行為A, and a little less time 行為Bの構文ですので、「行為Aにもう少し時間を長く使い、行為Bにもう少し時間を短く使ったらどうですか」という意味です。
要するに、「自分の手札に集中する時間を増やし、私の胸を見る時間を減らしたほうがいい」ということなので、「私の胸を見るのをやめて、もう少し自分のカードに集中したらどう」くらいの訳はどうでしょうか。
They don’t match either.のTheyは、「手札に集中すること」と「私(カディ)の胸を見ること」です。この二つが「match=釣り合わない(自動詞)」のですので、「アンタの胸を見ることは、手札に集中することに比べたら、何の価値もない/どうでもいい」とハウスは言うのです。
または、Theyがmy breastsを受けており、目的語(他動詞の場合)またはwith+目的語(自動詞の場合)が省略されていると考えることもできます。目的語は、「手札に集中すること」です。
次です。
(以下字幕)
House: Your son’s brain is losing control of his muscles.
ハウス:筋肉に脳の指令が伝わってない
(字幕終わり)
lose control ofは、「~のコントロール(制御)を失う/できなくなる」です。脳の制御機能がおかしいのであって、「指令が伝わってない」では途中の神経回路に異常があるという意味になってしまいます。
次です。
(以下字幕)
Chase: E. coli H0157 causes bloody diarrhea, and leads to hemolytic uremic syndrome.
チェイス:O-157が溶血性尿毒症候群を引き起こしたんだ
(字幕終わり)
O-157は英語ではH0157(h0157)というようです。E. coli の発音は「イー・コ’ウライ」です。
次です。
(以下字幕)
House: No, treatment will tell us more, faster.
ハウス:治療の方が先だ
Cameron: How can we start treatment if we have no idea what we’re treating for?
キャメロン:病名が不明なのに?
House: Treat him for everything! Give him acetylcysteine, and interferon, and silymarin, and whatever else you can think of to protect the liver.
ハウス:何でもいいからやれ 肝臓を保護する薬を投与しろ
(字幕終わり)
No, treatment will tell us more, faster.は、「治療の方が先だ」ではポイントがずれています。「(検査をするより)実際に治療を行った方が詳しいことが早く分かる」という意味です。以下、上記の薬の発音と訳語です( ’ は強勢)。
発音 | 日本語訳 | |
acetylcysteine | アスィートス’ィスティイン | アセチルシステイン |
interferon | インタ(ァ)フ’ィー(ァ)ロン | インターフェロン |
silymarin | スィリマ’リン | シリマリン |
次です。
(以下字幕)
Chase: Meds seem to be working. Liver’s holding its own.
チェイス:投薬が効いたようです
(字幕終わり)
薬の英訳(複数形)としては、meds(medicineの略語) 、drugs、medicines、medications があるようです。下は、Googleでヒット数です。なお、このヒット数は、あくまでGoogleに記載されているもので(つまり、基本的に書き言葉)、話し言葉として使われている用語の使用頻度とは異なるはずです。
英文(全文検索) |
Google検索でのヒット数 |
the meds seem to be working |
1560 |
the drugs seem to be working |
1440 |
the medicines seem to be working |
585 |
the medications seem to be working |
355 |
次です。
(以下字幕)
Wilson: But the party’s over in less than 3 hours.
ウイルソン:パーティーは3時間で終わるぞ
Cuddy: It’s over in less than 2 hours.
カディ:あと2時間ちょっとよ
(字幕終わり)
less than 3 hoursは、厳密には「3時間未満」です。less than 2 hoursも同じく、「2時間未満」です。「2時間ちょっと」では、「2時間+5分~10分」の意味になってしまいます。ただし、技術文書と違い、会話であれば「おおよそ」でいいかもしれません。
次です。
(以下字幕)
Over the announcement system: Code blue, Iso room.
館内スピーカー:緊急事態です すぐにISO室へ
(字幕終わり)
下は、Code blueの定義です。(英辞郎)
【1】〔心臓や呼吸が停止するなどの〕緊急事態
【2】〔日常生活において命に関わる(ほどの)〕緊急事態
ISO(isolation)roomは、「隔離病室/隔離室」などという訳語がありました。
次です。
(以下字幕)
Foreman: If we have enough tissue for two tests, why not do both?
フォアマン:その2つを調べましょう
House: Then we don’t have to think as hard. Taking the pressure off the choice makes us less likely to think critically.
ハウス:思い詰めると 冷静な判断ができなくなるぞ
(字幕終わり)
フォアマンの台詞の訳は、厳密には「2種類の検査に十分な組織(標本)(があれば、両方の検査をしましょう」です。
Then we don’t have to think as hard.は、映画では訳がなく、訳すと「そうすれば(両方の検査をすれば)、(できるだけ)真剣に考える必要がなくなる」です。次のTaking the pressure off は、「(検査に頼りすぎて)選択(考えて病気を特定)するという努力を怠ると、批判的/客観的に考えることができなくなる」と考えるといいかもしれません。
以上