「ジュマンジ」(judgeとWhat if)

映画「ジュマンジ(Jumanji)」からのシーンです(PowerDVDで日本語字幕と英語字幕を同時表示してキャプチャー)。

(以下、英語・日本語の字幕)
Is that what you tell yourself when you’re scared?
怖い時は そう言うの?
Can you not judge me for two seconds?
批判しないで
I split up with Noah, I turned into a guy…
彼氏と別れて 男になり
… and I cannot find my phone.
スマホも無くしたのよ!
I am allowed to be upset.
(英語・日本語の字幕終わり)
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ひげの男が女性言葉を使っているのは、女性がこの男(ゲームのキャラクター)としてジュマンジ(ゲーム)に入ったからです。

Can you not judge me for two seconds? はCan’t you judge me… と同じで、「2秒で私のことが判断できないの?」→「いいえ、(2秒で=すぐに)判断できるはず」と展開できます(反語です)。

judgeは、「批判」よりも意味が広く、「判決を下す、批評する、評価(分析)する、鑑定する」などの意味です。口語で、Don’t judge me. は「(私のことをよく知らないくせに)あれこれ批評しないで/人の欠点をあげつらうのはやめて」という意味でしばしば使われるようです。こういう無神経な人は世の中によくいます。

I am allowed to be upset. の訳は字幕にはありませんが(字数制限のせい?)、「そういう事情だから、私は怒って当然」くらいの意味でしょうか。

次です。

(以下、英語・日本語の字幕)
Farewell, Ruby Roundhouse.
さようなら ルビー・ラウンドハウス
Wait.
待って
What if we didn’t go back?
戻らなきゃダメ?
(英語・日本語の字幕終わり)
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ゲームが終わって現実世界に帰る場面です。

ここでは、What ifについてまとめてみます。What ifは、仮定法の文とともに用いると考えるのが分かりやすく、とすると次の3通りがあることになります。

(1)今後、~すると(したら)どうなるだろう(仮定法現在)
What if it rains this weekend? (明日雨が降ると/降ったらどうする?)

(2)今は~だが、(それとは反対に)~すると(したら)どうなるだろう(仮定法過去=仮定法だからワンクッション置く感じ、断定の度合いが弱くなる)
What if I went to LA instead of NY? (ニューヨークではなくロサンゼルスに行くというのはどうだろう?)

(3)あのとき、~だったら今はどうなっていただろう(仮定法過去完了)
What if we had missed our train? (列車に乗り損なっていたら、どうなっていただろう?)

上のWhat if we didn’t go back? は仮定法過去の形で、直訳すると「帰ることになったが、そうではなく帰らないというのはどうだろう?」となります。

このほか、「Practical English Usage, Third Edition」にsuppose、supposing、what ifの3つを併せて説明している部分がありましたので、引用します(カッコ内は参考訳)。

(以下、引用)

Suppose, supposing and what if can all be used with present tenses to make suggestions about things that might happen. (suppose、supposing、what if は、現在時制の文とともに用いることにより、今後、起こるかもしれない事柄に関する提案を表現できる。)

I haven’t got a table cloth. ~ Suppose we use a sheet. (-テーブルクロスがありません。-代わりにシーツを使ったらどう。)

Let’s go swimming. ~ Supposing there are sharks. (-泳ぎに行きましょう。-サメがいたらどうするの。)

What if we invite your mother next weekend and go away the week after? (来週末に母を招待し、翌週に帰ってもらうというのはどう?)

A past tense makes the suggestion sound less definite. (過去時制の文とともに用いた場合、現在時制の文の場合と比べて、その提案が多少非限定的に(柔らかく)聞こえる。)

Daddy, can I watch TV? ~ Suppose you did your homework first. (-パパ、テレビを見ていい? -まず、宿題を済ませたほうがいいんじゃないか。)

I’m going to climb up there. ~  No! supposing you slipped! (-そこに上ってみる。-だめです。滑ったときのことを考えてみなさい!)

What if I came tomorrow instead of this afternoon? (今日の午後の代わりに、明日来るというのはどうだろう?)

In sentences about the past, past perfect tenses are used to talk about situations that did not occur. (過去時制の文において、過去完了時制の文とともに使うことで、過去に実際には起こらなかった事柄について表現できる。)

That was very clever, but supposing you had slipped? (それは賢明だったけど、滑っていたらどうなっていたと思う?)

(引用終わり)

以上