映画「ラスト・フル・メジャー」からです。PotPlayerで日本語と英語の字幕を同時表示し、スクリーンショットをとりました。
(以下字幕)
(老人)
Sorry to keep you.
待たせてすまない。
I nap more than I used to.
いつもより長く昼寝した。
(字幕終わり)
I nap ~ は現在時制で、この場合の現在時制の用法は次の通りです。
※以下、ジーニアス第3版より
(2) 現在の習慣的な動作・反復的な出来事
I usually get up at six and eat breakfast at seven.
(私はふつうは6時に起きて,7時に朝食を食べる)
Miss Gray teaches music.
(グレー先生は音楽を教える[音楽の先生だ])
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※以下、「英文法解説」(改訂三版) 江川泰一郎著より
(2)現在の習慣的動作 動詞には動作動詞が使われ,現在を中心にして習慣的に繰り返される動作を表す。
Many college students in America take a part-time job. They work as waiters and waitresses, for instance, and earn quite a sum of money from tips.
(アメリカではパートで働く大学生がたくさんいます。例えばウェ一ターやウェートレスをして,チップで相当な額のお金を稼ぎます)
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従って、I nap more than I used to. は、字幕のように「(今日は)いつもより長く昼寝した」ではなく、「(最近年をとって)以前より昼寝することが多くなった」と解釈するのが妥当と思います。
次です。
(以下字幕)
(男性)
[sighs] Why…
Why did you let him go?
Why didn’t you just stop him?
息子さんのビルをなぜ戦場へ?(どうして止めなかったのですか?)
(婦人)
You can’t teach your children values…
and then just withdraw ’em
because you’re afraid of what you might lose.
なぜって結果を恐れることなく
世の中で何が大切か正直に教えたから
(男性)
It just seemed like such a high price to pay.
命がかかっていても?
(字幕終わり)
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老婦人は、息子をベトナム戦争に出した母親です。
You can’t teach your children values…
and then just withdraw ’em
because you’re afraid of what you might lose.
は、もう少し細かく訳すと、「いったん、子供たちに(人生の)価値観を教え、その後、子供を(戦争で)亡くすのが怖いからといって、その価値観を引っ込めることはできないでしょう」などです。
この母親の言を受けて、男性が、It just seemed like such a high price to pay. と答えます。「(息子さんを亡くしたことは)、極めて大きな代償だったようですね」。つまり、「非常に残念なことをしましたね」とねぎらっているのです。「命がかかっていても?」は、ちょっと的外れ?
次です。
(以下字幕)
(男性)
No disrespect.
尊敬します。
(婦人)
None taken.
[chuckles]
ありがとう。
(字幕終わり)
ここは、婦人(なくなった息子の母親)に、男性が「息子さんのビルをなぜ戦場へ?」などと個人的なこと、母親にとっては非常につらいことを聞いて、恐縮している場面です。No disrespect. は、No offense. の意味、「(すいません)悪気はありませんでした」「気を悪くしないでください」「失礼なことを言いました」などです。
None taken. は、No offense/disrespect taken.です。「いいえ、いいんです」「
気にしていません」「なんでもありませんよ」くらいでしょう。
以上