下は、映画「スノーデン(原題:Snowden)」からの場面です。PotPlayerで英語字幕を読み込み、日本語と英語の両方の字幕を同時に表示しました。英語字幕は、Subscene(https://subscene.com)からダウンロードできます。

We didn’t come to Hawaii for you to heal, did we?

この英文はいわゆる否定疑問文で、直訳は、「(私たちは)あなたの治療のため、ハワイに来たんじゃなかったの?」です(付加疑問文です)。

否定疑問文は「反語」である場合も多く、注意が必要です。つまり、この文は、

「あなたの治療のため、ハワイに来たんじゃなかったの?」
          ↓
「そう、治療のためハワイに来たんです。」

という意味を表しています。言い換えると、「肯定の答え」を期待している疑問文なのです。

「治療のためハワイへ?違うわよね?」という訳では、意味が逆になってしまいます。技術・実務翻訳では、あまり否定疑問文には出会うことはありませんが、注意が必要です。意味が逆になっては、機械が誤動作したり危険が生じたりすることにもあります。

普通の疑問文(肯定疑問文)では、反語は少ないようですが、それでも時々見かけます。

ここは、「違うわよね?」ではなく、「そうよね」、「そうでしょ」が正しいと思われます。

There was never gonna be a less stressful job out here.

直訳は、「(転勤について、以前に話したときには)ここ(ハワイ)よりストレスの少ない仕事(職場)はなかったはず(だからここに決めた)」です。スノーデンにはてんかん(epilepsy)の持病があり、ハワイなら暖かいし病気にもいいという理由で、二人はハワイへの転勤を決めたのでした。

この映画には、反語の否定疑問文は他にもいくつかあり、どれもきちんと訳されているようです。もしかすると、訳文チェックの際に校閲者が間違って「修正」したかもしれません。よくある話で、訳者にとっては迷惑千万です。

以上