キング・オブ・ファイヤー(クジラの公式)

映画「キング・オブ・ファイヤー(Henry VIII)後編」をみていて、クジラの公式(クジラ構文)に出会いましたので、紹介します。

いつもの通り、Potplayerで英語字幕を挿入し、スクリーンショットを撮りました。英語字幕は、opensubtitles.orgというサイトからダウンロードしました。今まではSubsceneというWebサイトのものを使っていましたが、突然閉鎖になったようです。下記のメッセージが掲載されていました。

Subscene is closed
Thank you all for a great journey.
Wonder what to watch next, try watchpedia.com a full guide of all streaming services.

以下、映画「キング・オブ・ファイヤー」の画面です。

(以下字幕)

Remember how they ran, those French knights?
フランス兵は逃げた。

They no more wanted to fight than to have one single hair on their head disturbed!
やつらは戦争に勝つより、髪型のほうが大切だからな。

(字幕終わり)


少し古い映画なので、画像はよくありません。

問題は2番目の英文で、いわゆるクジラ構文です(そうでないという方もいるかもしれません)。 than のあとに they want が省略されています(上記参照)。つまり、追加すると次のようになります。

They no more wanted to fight than they want to have one single hair on their head disturbed!

このthanは接続詞で、したがって文(節)を導きます。

have/get one single hair on their head disturbedは「(たった)一本の髪の毛が乱される/乱れる」。

クジラの公式ですから直訳は次のようになります。

フランス兵は、髪の毛一本でも乱れるのを望まないのと同様に/同じくらい、戦うことを望まない。

フランス兵は、髪の毛一本でも乱れるのが嫌なのに、ましてや戦うことなどまったく望んでいない。(少し強調)

字幕の日本語訳では勝利と髪型を比較しているようですが、必ずしもそうではないと思います。両方とも嫌なのです。揶揄、嘲笑です。

クジラの公式は否定・肯定関係がややこしいですが、次のように考えると少しはすっきりするかもしれません。

not(主節+than節)
ない(than節の主語がで~あることより主節の主語が~であることは)、または
ない(than節の主語が~することより主節の主語が~することは)

つまり、notが 主節とthan節にかかります。インターネットに種々、クジラ構文の解説や説明が見つかりますので、検索するといいかもしれません。

以上