「Dr. HOUSE」シーズン2の第13話(コロンの後の単語の大文字・小文字)

「Dr. HOUSE」シーズン2の第13話です。PotPlayerで日本語と英語の字幕を同時表示し、Windows 10付属のスニッピングツールでスクリーンショットをとりました。ストーリーは記載しません。インターネットにいろいろあるので検索してください。

(以下字幕)
– I could do that at home.
– At least let me get you an MRI.
せめてMRIを
It’s a very simple equation: More pain, more pills.
薬を飲む方が早い
(字幕終わり)

足が痛いとハウスが訴え、ウィルソンがMRIを勧めます。

At least let me get you an MRIは、Can I get you a drink?(飲み物をお持ちしましょうか?)の類例と考えれば分かりやすいかもしれません。不思議なことに、MRI(magnetic resonance imaging)にaが付いています。作業の1つだから、可算なのでしょうか。一方、CTの場合、a CT scanとscanが付くようです。

ここでの着目点は、次の文です。It’s a very simple equation: More pain, more pills.

More pain, more pillsは、the more pain, the more pills からtheが落ちた形と考えるといいようです。ここでの注意点は、コロン(:)です。具体的には、コロンのあと(右側)の句または節の最初のアルファベットを大文字にするか小文字にするかという問題です。Grammarlyに詳細な解説がありましたので、引用します。()内は、参考訳です。

—————-(引用開始)————————

Capitalization: First Word After a Colon
(大文字表記:コロンの後の最初の単語)

In British English, the first letter after a colon is capitalized only if it’s a proper noun or an acronym; in American English, the first word after a colon is sometimes capitalized if it begins a complete sentence.
(イギリス英語では、コロンの後の単語の最初の文字は、原則としてすべて小文字として、その単語が固有名詞または頭字語のときにだけ大文字にする。アメリカ英語では、(イギリス英語の原則に加え)コロンの後が完全な文である場合には、最初の単語の最初の文字が大文字で書かれることがある。)

Here are some quick tips for using colons properly:
(以下、コロンの使用上の簡単なヒントを示す。)

  • When a colon introduces a list of things,do not capitalize the first word after the colon unless it is a proper noun.(コロンの後が物・事柄・事項の一覧(リスト)である場合、コロンの後の単語の最初の文字は小文字とする。ただし、その単語が固有名詞の場合を除く。)
  • When a colon introduces a phrase or an incomplete sentence that is meant to add information to the sentence before it,do not capitalize the first word after the colon unless it is a proper noun.(コロンの後が句である場合、または不完全な文であり、その不完全な文がコロンの前の文に何らかの情報を追加するためのものである場合、その句または不完全な文の最初の単語は小文字で始める。ただし、その単語が固有名詞の場合を除く。)
  • When a colon introduces a complete sentence,you may capitalize the first word after the colon according to some style guides. Read on for details.(コロンの後が完全な文である場合、コロンの後の後の最初の単語は、大文字で始めてもよい。ただし、この規則はスタイルガイド(APA Style、The Chicago Manual of Styleなど)によって異なり、適宜、当該スタイルガイドを参照する必要がある。)

—————-(引用終わり)————————         

なお、上記の引用の後にさらに説明がありますので、そちらも見てください(https://www.grammarly.com/blog/capitalization-after-colons)。

大雑把に言えば、コロンの後が項目のリストの場合、コロンの後の単語の最初の文字は必ず小文字というのがルールで、したがって、: More pain, more pills.は、: more pain, more pills.が文法的に正しいということになります。

次です。

(以下字幕)
Since when do you voluntarily go see patients?
先生が患者に会うなんて
(字幕終わり)

ハウスは仕事(診察)が嫌いで、何か理由を見つけてはサボろうとします。だから、上のようにキャメロンが言ったのです。

Since whenは「いつから~するのか/するようになったのか?」という意味、つまり過去の行為や状態が現在まで継続していることを表すので、現在完了形または現在完了進行形で書くのが普通です。ただし、上の台詞のように現在形や過去形の場合もあるようです。

次です。

(以下字幕)
(ハウス)Two clinic hours says that those “love apples” are handcrafted by God.
あの胸は 神様からの贈りものだな
(フォアマン)- I thought you didn’t believe in God.
神様から?
(ハウス)- I do now.
そうだ
(チェイス)You’re on.
(日本語字幕なし)
(字幕終わり)

Two clinic hours says that ~ が抜けています。ここは、どうでもいいような箇所かもしませんが、できるだけ細部を拾う努力をしなければなりません。

(金銭の額や代償としての仕事)says that ~ は、賭けをするときに使う表現です。ここは、「あの胸は神様が作ったもの(整形していない自然の胸)であることに、2時間の診療業務を賭ける」という意味です。

(フォアマン)I thought you didn’t believe in God.は、「神を信じていないと思っていた」。

(ハウス)- I do now.は、「今は信じている」。

(チェイス)You’re on.は、「その賭けに乗った」、つまり、ハウスが提案したことにチェイスが賭けることにしたのです。

次です。

(以下字幕)
I let you get away with more than anyone in this hospital.
この病院で一番のバカね
Shielding a child abuser isn’t covered.
性的虐待者をかばうなんて
(字幕終わり)

最初の文のget away withは、「〔悪いことをしたのに〕逃げきる、何の罰も受けないで済む、罰を逃れる、許される」(英辞郎)です。したがって、直訳は「この病院の誰よりもあなた(ハウス)を守ってきた/かばった/かばってきた」くらい。

2番の文は、「性的虐待者を守る/保護することは、(わたしがあなたを保護するということに)該当しない/入らない」。

次です。

(以下字幕)
I’m sure you meant well.
軽率だったわね
(字幕終わり)

意味が逆です。mean well=「善かれと思って~をする」。「善意でしたことですものね(問題ないですよ)」が正しい解釈です。

以上